EFTタッピングを使って、ご自身の感情や思考、言動などをありのまま認めながら、事実と感情を分けたことで視点が変わり、配偶者に対する思いが変化したRさん。
次にやることは、離婚危機回避や夫婦関係を修復・改善するために、配偶者を理解すること。
Rさんから見た配偶者は、どんな人なのか。
これまで、問題や悩みが生じた時、配偶者はどのような対応をしていたのか、エピソードを伺いました。
Rさんのお話には関係修復・改善のヒントがつまっています。
この話は、下記の2つの記事からの続きです。
夫婦関係を修復・改善するために配偶者を理解する
配偶者の何があっても何とかなる!ってどういうこと?
Rさん曰く配偶者は「何があっても、何とかなる!」という考え方の持ち主なのだそう。
一見、前向きに感じる「何があっても、何とかなる!」ですが、気になるのはその中身。
本当に、いつでも、どんな時でも何があっても大丈夫な方法なのかどうか、です。
自分の欲を自分軸で扱う観点で、Rさんの配偶者の動きを私・伊藤が掘り下げたものがこちら。
- 現状把握ができていない
- 自分がどこで躓いているのかが、わからない
- 自分がどうしたいのか、何をする必要があるのか、目的地はどこなのかがわかっていない
- 解決または折り合いをつけることを先延ばしにする
- 時間の経過と共に問題が大きくなるけれど、自分ではどうしていいのかわからない
- さらに放置を続ける
- いよいよどうにもならなくなり、身近な人にSOSを出す
- 問題を丸投げして、片づけてもらう
- 見かねた周りの人たちが配偶者に手を差し伸べてくれたり、引き上げてくれたりするのを待つ
配偶者もご自分の欲を他人軸で扱っていらっしゃいますね。
配偶者の「何があっても何とかなる」って、自分にはどうすることもできないけれど誰かが何とかしてくれるから、何があっても何とかなるってことなんですよね・・。
ホントそうなんですよ。その手のエピソード、いっぱいあります。
配偶者はこれまでの人生、困った時には誰かが助けてくれて、何とかなっていたということだったのです。
周りの誰かが配偶者に手を差し伸べてくれることが「何とかなる」条件なら、手を差し伸べてもらえなければ何ともならないのです。
いつか何とかなると思いながら、その場しのぎをするうちに、時間の経過と共に問題が大きくなるタイプと見ました。
配偶者の怒鳴られても平気ってどういうこと?
Rさんは以前、配偶者から小学生の頃に、教師から大声で怒られた時のエピソードを教えて下さいました。
先生から怒鳴られている最中、全く別のことを考えていれば大丈夫だとわかった。
だから、怒られても平気。
子供だった配偶者に対し、教師は怒鳴ることで自分に従わせよう(思い通りに動かそうとした)とした。
配偶者が表向きは教師に従った。
従うことで、教師は怒鳴るのを止めた。
配偶者に対する、教師の評価は「言うことを聞く=良い子」になる。
つまり、配偶者は、何かしらトラブルが生じたり、相手を怒らせたりした時は別のことを考え、表向きは相手に合せれば、うまくいくと感じる状態にあると考え得る訳です。
・・ということは!
Rさんが怒っている時は、別のことを考えて大丈夫。
その場をしのげれば良いってことですよね。
そうなりますよね・・
これが、配偶者の問題の対応方法なのかもしれません。
でもこの方法だと、幼いうちは何とかなるとして、大人になるとトラブルの原因になります。
配偶者は、これが、お金の問題として浮上してきていました。
配偶者のお金の無駄遣い
金銭面に関して堅実なRさんは、配偶者のお金の無駄遣いが気になっていました。
結婚前に、お二人が付き合っていた頃。
配偶者は給料前のお金が足りない時に
魔法のカードがあるから大丈夫!!
とRさんに言い放ったエピソードの持ち主。
お付き合いの段階では良くても、生活を共にしている状態では、なかなか厳しいですね。
お金を無駄遣いする原因は他人軸
他人軸の状態では、時間や労力、お金などを費やして、周囲の評価(と感じる自分の判断)を反射的に得ようとする動きが出ます。
周囲の評価(と感じる自分の判断)とは
- あの人にこう思われたい
- ケチと思われているんじゃないか
- ダサいと思われているんじゃないか
- かっこいいと思われたい
など。
配偶者の場合、これを身につけていたらセンスがいいと思われて、次の仕事につながるはず!と無意識のうちに感じて衝動的にものを買っていらっしゃるご様子。
購入してしばらくは気に入って使うものの、また次の物が欲しくなる。
物を得ることで、無意識のうちに高揚感を覚えたり、欠乏感や不安などを埋めたりしていらっしゃるようです。
他にも配偶者は、休日であっても、職場関係の飲み会に出かけていました。
時間や労力、お金を費やし、周囲の悩み相談役をかって出ることによって、家庭では得られなかった、周囲からの評価(と感じる自分の判断)を得ていたのです。
評価を得られたと感じることで、自信や存在価値、居場所、肯定感などが配偶者の中で生じます。
飲み会や相談係をやめてしまったら、これらが得られなくなり、配偶者は不安定になってしまいます。
だから、Rさんに文句を言われたとしても、お金が足りなくても、続けざるを得ないのです。
自分軸の「自分がどうしたいのか」に沿って、本当に欲しい物を得ている訳ではないので、出来事を変えた状態で、お金の漏れが続きます。
他人軸のままでは夫婦関係を修復・改善するのは難しい
他人軸は、どちらか、もしくは双方が犠牲になることで、関係が成り立ちます。
だから、Rさんも、配偶者も苦しくなる。
お互いを思い合っていたはずなのに、どんどんすれ違っていくのです。
前回の記事で、Rさんが配偶者に理想を求めていたことに触れましたが、彼は話を聞いているフリをしてはいるけれど、心ここにあらず、別なことを考えていたのかもしれません。
配偶者なりに育児や家事をしたとしても、Rさんにとっては「理想通りじゃない」ので、彼は、何をやっても否定されると感じていたのかもしれません。
居場所を求めて配偶者が職場の飲み会などに癒しを求めると、Rさんは自分の存在を蔑ろにされた、否定された、愛されていないなど感じるし、不満もたまり、機嫌も悪くなってしまう。
そうなると、配偶者にとって、家はさらに居心地の悪い場所になる。
自分軸の「自分がどうしたいのか」もわからずに、スマホをいじってその場をしのいだり、頻繁に飲み会に参加したり、「Rに気持ちがない」と知人に打ち明け、思いをわかってもらったりするのが、精いっぱいだったのかもしれません。
でも、肝心な問題は後回し。
配偶者の「何があっても何とかなる」方法や「怒られても平気作戦」では、根本から夫婦関係を修復・改善することはできないからです。
別れ話が夫婦関係を修復・改善となり得る理由
自分にはどうすることもできず、のらりくらりする中で、Rさんが離婚届を突きつけて、別れ話になった。
他人軸のままだと「最悪」と感じる状態です。
でも、自分の欲を自分軸で扱う視点で捉えると、今回のことは、他人軸から自分軸へ軌道修正をしたり、夫婦関係を修復・改善したりするきっかけ・チャンスでもあり、Rさんって、配偶者に手を差し出す、救世主のような感じでもあるのですよね。
あくまで仮説ではあるけれど、配偶者のエピソードを伺う限り、空回りはしているものの行動力のあるRさんが先に自分軸を身につけて、主導権を握る方が良いと判断しました。
夫婦関係修復・改善を目指して表面化したお金の問題に必要な手を打つ
Rさんがセッションで自分軸作りに取り組んでいた頃、実際に、配偶者のお金の問題が表面化する出来事が起こりました。
EFTあるあるです。
以前Rさんは、配偶者から「俺の郵便物は勝手にあけないで」と言われたことがありました。
所帯を持ったのだから、私のことは私のこと。
配偶者のことも私のこと。
そう思って、これまで夫の郵便物を、当たり前に開封していました。
いくら家族だ、配偶者だといっても、一個人であり、他人だから、相手の許可なく勝手にあけるのはやめましょう。
そんな話をした数日後。
配偶者宛ての郵便物をRさんが自分に必要なものだと勘違いして開けた所、督促状が出てきました。
これは、結婚前に配偶者に生じた支払いで、Rさんには関係のないものです。
延滞金が発生していたんですよ。
私、こういうムダ、すごく嫌いなんです!
配偶者の口座から引き落としが出来ずに、たまに公共料金等の督促状が届くこともあると苛立ちを口にするRさん。
そういう時に、どうなっているのか聞いても「大丈夫。何とかするから。」としか答えない配偶者。
結婚前に発生した支払いが出来ず、どうしていいのかわからないまま何年も放置した結果、督促状が来ているのだから、実際は何ともなっていませんし、延滞金もついて、問題が大きくなっています。
配偶者の何とかなるは「誰かが助けてくれること」が前提です。
・・となると、何とかするのはRさんってことですよね。
たぶん、そうですよね。
督促状には期限があり、他にも影響が及びかねません。
早急に手を打つ必要があると判断し、セッションでその準備をすることに。
まずは、自分に必要なものだと勘違いして配偶者の封書を開けてしまったことを説明し、謝罪。
その後、Rさん先導で、この件について配偶者と話をし、共に某機関に出向くことにしたのです。
担当者と話し合いをして、分割払いをすることで、まとまりました。
Rさん、素晴らしいですね。
お疲れさまでした!
まさかの無駄遣いが意味すること
自分ではどうすることもできない配偶者は、ほっとしていたそうです。
ところが直後の給料日に、ご自身の装飾品をクレジットカードで購入してしまうというまさかのオマケが・・・。
もう疲れた。
マジで話す気力ゼロ。
ムダな労力だ。
そう書かれた実況中継メールが送られてきました。
あまりのタイミングに苦笑いするしかなかったのですが、他人軸から自分軸へ軌道修正する中で起こる印象的な出来事って、後で振り返った時に、それが何だったのかがわかります。
スムーズに事が運ぶことだけが、良い訳ではありません。
これまで目を背けてきた問題が表面化したことで、互いに向き合う機会が巡ってきていたのです。