メンタルが弱いから強くなりたい。
このような話を過去のセッションで伺う機会がよくありました。
私自身もそう思っていた時期があります。
メンタルとは、精神・心・意思などを表す言葉です。
他人軸から自分軸への軌道修正術は、メンタルを強くする方法でもあります。
実際は強くするというより、自らを育むという方が合っています。
メンタルを強くする方法とは?何が必要?
メンタルを強くするために何が必要なのか。
他人軸をやめて自分軸を育むこと。
そのために、まずは、ご自身を理解すること。
ご自身を理解するとは、自分の欲の扱い方を知ること。
欲の扱い方を知るためには、ヒト・モノ・コトに対して生じる、自分の感情や思考、言動などをありのまま認め、掘り下げること。
掘り下げながら、ヒト・モノ・コトに対して生じる、他人軸と自分軸、両方の欲を認め、求め、満たすこと。
この連続・積み重ねが、自分軸を育み、メンタルを強くします。
他人軸で欲を扱い続けるとメンタルが弱くなる
他人軸で欲を扱い続けている場合、表面上は強がっていても、メンタルは弱くなる一方です。
他人軸の状態では、安定を得るために、周囲の承認を求めます。
これが悩みの解決方法であり、望みを実現する方法でもあります。
「いつでも、どんな時でも、誰からでも認められる、完璧な理想の自分になること」を追い求めるため、常に周囲に意識を向けたり、気を遣ったりしながら、自覚なく自らの意思を犠牲にします。
自分を犠牲にすることで、自らを非力にします。
己を理解することも、自分がどうしたいのかを知ることもできなくなるので、自らを尊重した行動が取れなくなります。
これにより、自分と相手の違いを尊重することもできなくなり、自分も周囲も守れなくなります。
本来は、自分の人生においては自分を活かすことが大切です。
なのに、他人軸の場合は、自分を非力にすることで人生を犠牲にするので、必然的にメンタルを弱くする方へと向かうのです。
人間関係のトラブルでメンタルが弱る
他人軸で欲を扱っていると、トラブルでメンタルが弱ることがあります。
これは「自分が思い感じ考えていることを、相手も同じように思い感じ考えている」という捉え方が関係しています。
「周囲は、自分の思い描く反応をするものだ」という前提のもと、自らが思い感じ考えたことに従って動くため、自分の内側の世界だけで問題が起きて、それに悩み続けることもあります。
他人軸での状態では周囲の承認を求めると書きましたが、実際は周囲から承認を得た・得られないを、ご自身が判断しています。
そのため、周囲の雰囲気・態度・言動に対し
「あの人はこう思っているんじゃないか」
「絶対に私のことを嫌っている」
「何か嫌われるようなことをしたかな」
「上から目線だ」
「マウントを取られた?」
「ばかにされた」
などと繰り返し思い感じたことが、自分にとっての事実となっていきます。
この時点では、自分の内側だけに問題が生じていて、外の世界では何も起きてはいません。
自分の内側で事実と捉えたことを、外側の対人関係に持ち込んだ時に、トラブルが現実になります。
皮肉なことに、実際にトラブルが起こることで「自分の思い感じ考えたことが、本当に事実となる」のです。
トラブルに必要な対応が取れずメンタルが弱る
実際にトラブルになっても、必要な対応が取れる状態にはありません。
なぜなら、長きに渡り、自らを犠牲にしてきたため、自分と他者を尊重する術を身に着ける機会を失ったまま、
今日に至っているからです。
自分がどうしたいのかがわからないし、わかっても相手を傷つけるから、思っていることを言えない。
自分とは違う意見を言われると、否定されたと感じて、傷ついてしまう。
結局「表面上はなかったこと」にしながら、内側で悩んだり、思い出しては苛立ったりし続けるかもしれません。
他人軸の状態では、自分からは何も言わなくても、相手は自分の思っていることを理解して当然だと感じます。
そのため、相手のせいで自分が悩んでいることをわからせようと、態度に表して、伝えたつもりになったりもします。
「伝えていないのに伝えたつもりになる」こともまた、新たなトラブルを引き起こします。
波風を立てないように振る舞ってきたけれど、我慢の限界が来て「もうどうなってもいい」と抑えていたものを
爆発させ、人間関係をリセットするかもしれません。
いつも周囲に配慮しているのに、なぜうまくいかないのだろう。
そう悩んでいらっしゃるのであれば、この方法ではうまくいかないのだということに気付く必要があります。
自分軸を育んでメンタルを強くしよう
物事は芋づる式につながっています。
他人軸は、不自然な生き方です。
メンタルを強くしたいと思うのであれば、日々、目の前のヒト・モノ・コトに対応しながら、他人軸→自分軸の順で、ご自身の欲を両方満たすことが必要です。
でも、一気に何もかもやることはできないので、まずは、これまで他人軸で精いっぱい頑張って来られたご自身をありのまま認めて存分に労いましょう。
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