意地っ張りな自分の性格を直したい【EFTタッピング事例】

この話は前回からの続きです。

最初から読む

今回のNさんのEFTは、意地っ張りな自分の性格を何とかしたい、というテーマで行いました。

Nさん

彼から何か言われると、むっとしてしまうんです。

彼は、私の為によかれと思って注意したり、話しているっていうのは分かっていて、本当はありがたいと思わないといけないのだけれど・・。

Nさん

いざ言われると・・・彼の言葉から嫌な事ばかり拾ってしまうんです。

そして、言われたくないという気持ちが態度や表情、行動に出てしまうんです。

わざとバーンと音を出して物を置いたりして、「わかってよ!」と言う具合に。

でもその後、ずっと「私はこう思ってこうだったから、こうなんだ・・」って引きずり、考え続けてしまうんです。

「あたしは、悪くない」と思ったり、意地っ張りでゴメン」と思ったり・・・。

で、何日か経ってから、彼に「あの時、ああだったんだ」と話すと「何だ、ずっとそんな事考えていたのか?」って言われるんです。

彼に、素直に「言ってくれてありがとう」って言えるようになりたいです。

Nさんが、意地っ張りを直そうと考えていらっしゃるのは素晴らしいと思うのです。

でも、Nさんがむっとするのも、言われたくないと思うのも、意地を張るのも、理由があるはず。

そこを無視して、全然納得していないのに、頭でありがたいと思おうとしても、うまくいかないんですよね。

伊藤

Nさんは、彼や周囲に何か言われることで(実際はそうではなくても)自分や存在を否定されたと感じて傷ついているんだよね?


それで、傷つかないように無意識に自分を守ろうとしている感じかな?

Nさん

そうです。

傷つきます。

Nさんは幼い頃の出来事が、現在の自分に影響を及ぼしていることをわかっていますし、EFTの要領も得ています。

頭で考えることと、実際に感じたり、行動したりすることの違いもわかっています。

でも、この時点では「彼から何かを言われる時、否定されたと感じて傷ついている」のに、頭では「私のために言ってくれているんだからありがたいと思えるようにならないと・・」になっていることを気づいていませんでした。


一時間ほど、雑談をしながら、幼少の頃や思春期のことを伺ううちに、話が今へとつながっていきました。

目次

意地っ張りな性格って何?どうやって形成されたの?

Nさんの言う、「意地っ張りな性格」とはそもそも、どういうことを指すのか。

どうやって形成されたのか。

ありのまま認め、掘り下げることで、これらを明らかにしつつ、過去を癒したり、必要な対応を取れるようにしたりする取り組みをします。

出来の良い褒められる子だった

幼い頃のNさんは、出来が良く、褒められることが多い子でした。

そのため、良い子でありたい。出来る子でありたい。特別な存在でありたい。一番でありたいと思っていました。

大人になった今も、仕事をしながら、いつもそう思っていると話して下さいました。

ええ、わかりますとも。
えこひいきされるって気持ちいいですもんね。

つまり、Nさんの場合、良い子・できる子でありたいし、そうあるのが自分にとっての当然と感じる前提があるのです。

伊藤

こんな感じでEFTを進めようと思っていますが、どうですか?

もし、途中で違う思いや感情が出てきたら、それを優先しながら、進めますね。

これは、現在地から、どこに向かいたいかをを宣言するためのセットアップフレーズです。

セットアップフレーズ

私は、彼や周囲から何か言われると、自分の存在を否定されたと感じ 傷つき、自分を守りたいと思う自分をありのまま認め受け入れ愛します。 どんな風に変化するのかはわからないけれど、 ありのままの自分を認め受け入れ愛します。 そしてありのままの自分の姿を見せることを自分自身に許可します。

成長によっていつも自分が一番という訳にはいかなくなった

小さな頃、出来が良く褒められることの多かったNさんですが、成長するにつれ状況が変わります。

周囲にも出来る子が出現し、いつも自分が一番ではいられないことに薄々気づいていました。

Nさん

もしかして自分って出来ないかも?!と感じても、それは認めたくない。
いつも人を引っ張る立場でありたい、出来る子でありたいと思っていました。

でも今は、人を引っ張るなんて面倒と思っているんですけれどね。

そうなんですよね。

幼い頃に作った、褒められて当然と感じる前提があるのであれば、彼から何か言われた時に、無自覚のうちに否定されたと感じて傷つくのは当然です。

傷つくことを回避するために、常に褒められる自分であるように振る舞う動きが出るのです。

だから、できる子でありたい、人を引っ張れる自分でありたいと思うのも当然。

でも、この状態は、放置すると危険です。

なぜなら、大人のNさんは周囲を引っ張るのは面倒だと思っているにも関わらず、感覚的には褒められ、できる人であらねばならぬ、人を引っ張らねばならぬが勝るからです。

意地っ張りの原点となり得る幼稚園児の頃のエピソード

意地っ張りの原点となり得る、彼女が傷ついたと感じ、今も鮮明に覚えている幼稚園のエピソードがありました。

Nさん

幼稚園で外で遊んでいる時、腕を怪我して包帯をしていた子が多分、仲間に入れてって来たんだと思います。

私は何が気に入らなくてそうやったのかは全く覚えていないんだけれどその子の包帯している腕をぎゅっと掴んだんです。

そうしたらその子が泣きだして、私は先生に皆がいる前で、その子と2人で前に並ばせられました。

先生は「そういう事をされたら痛いでしょ?」と私の腕を同じようにぎゅっとしたんです。

でも、私は「痛くないもん」と強がっていたんです。

そうしたら、先生がどんどん加圧してきたんです。

それでもずっと痛くないもんって言っていました。


怪我をしている子の腕をぎゅっとするのは確かにいかんのですが、大人のNさんはそれを知っています。

EFTタッピングは幼い自分を責めるためではなく、当時の自分の気持ちをありのまま認め、昇華させ、現在に活かすためにやるのです。(もし責めたければ、まずは存分に認めます)

伊藤

(褒められて当然という前提があるのだから)皆の前で叱られたら傷つくし、恥ずかしいって思うよね。

Nさん

はい。

皆の前でやらなくても・・って思っていたし、こっちも意地になってずっと痛くないもんって言っていました。


もしかしたら、Nさんの言う「意地っ張り」とは、この幼い頃の出来事が絡んでいるのかもしれません。

彼女にとっての意地は、(本来は褒められる子なのに)皆の前で叱られ、恥ずかしいと感じたことで、傷つかないよう自分を守るために、無意識のうちに生じているのかもしれません。

ただ、過去に覚えた強い恥の感情に蓋をしたまま無意識のうちに引きずり続けると、人生のさまざまな場面で、思わぬブレーキとなることがあるのです。

なので、ここでEFTタッピングをしていきます。

EFTタッピング・セットアップフレーズ

私は、幼稚園で包帯をしている子の腕をぎゅっと掴んだときに、皆が見ている前で先生に自分の腕をぎゅっとされた。

何で皆が見ている前で先生は怒るんだろう?皆のいないところで注意してくれたらいいのにと思い、皆の前で怒られて恥ずかしい、先生を許せないと感じ、傷ついたあの時の自分をありのまま認め受け入れ愛します。

どうしたらごめんなさいを言わずに許してもらえるのか

Nさんは、幼稚園児の頃、全く別な場面で、本来は「ごめんなさい」を言わなければいけない所を「どうしたらごめんなさいを言わずに先生の機嫌をとって許してもらえるか?」を考え、行動に出ました。

破ってはいけないといわれていたお絵かき帳の、自分が一番気に入っていた絵を先生に持っていったのです。

当然ですが、機嫌を取るどころか「何で破いたの?」と先生に怒られてしまいました。

EFTタッピング・セットアップフレーズ

幼稚園の頃、ごめんなさいを言わなければいけない時に、どうしても言いたくなかった自分をありのまま認め受け入れ許します

EFTタッピング・セットアップフレーズ

ごめんなさいを言わずに、どうしたら先生に許してもらえるかを考え、破ってはいけないと言われていたお絵描き帳の、自分が一番気に入っていた絵をやぶって持っていったら許してもらえるどころか、怒られたあの時の自分をありのまま認め受け入れ許します。

Nさん

私、怒っていたり、不機嫌だったりする人に対し、無意識のうちに、嫌われたくないという気持ちが生じて、相手の機嫌を取ろうとして、物をあげる癖があることに気付きました。

今は物じゃないけれど。

それでも、周りの人の顔色を窺って機嫌を取ろうとしますね。

物じゃなくなっただけか・・。

伊藤

すごいことにきづきましたね。

できる子、褒められる子という前提があるので、嫌われないよう機嫌を取ったり、ものをあげたりする動きが出るのも自然なことなんですよね。

EFTタッピング・セットアップフレーズ

怒っている人に対して、無意識のうちに嫌われたくないと感じ、相手の顔色を窺って機嫌を取ろうとする自分をありのまま認め受け入れ愛します。

今思い出しても胸が痛む中学時代の仲間外れ


Nさんには、今思い出しても胸がきゅっとしてしまう、傷ついた過去があります。

Nさん

中学生の頃、いきなり仲間はずれになりました。

きっかけは幼稚園の頃からの親友が、私に対する不満を言い出し、ほぼクラス全員に
無視されたんです。

ある日の昼休み、机に突っ伏して寝ていたら廊下近くの所で女子がかたまってなにやら話をしているので、耳をダンボにして聞いてみたんです。

そうしたら、私の悪口を言っているのが聞こえました。

今、顔をあげられない・・とその時思いました。

修学旅行も一人ぼっちで、部屋割りも余り者同士という状態でした。

伊藤

わーわ。

それ、すごくわかります。

ちょっと血が引けるような、あの居たたまれない感じ。

Nさん

バレー部に所属していましたが、「自分は人気者や、周りをひっぱるキャプテンにはなれない」という悔しさをもっていました。

それに、クラスメイトがバレー部にいたし、チームプレーなので、仲間はずれにされていた自分にとって居心地が悪かったんです。

そんな中、バレー部の中でもおとなしく自分よりも下、と見ていた人から「おとなしいお前まで、私を認めないのか?」というような態度を取られ、とても屈辱的でした。

伊藤

わかるわかる。すごくわかる。

Nさんの中に無自覚の褒められる前提があるのに、実際はクラス全員に無視されるとなると、存在価値がないと感じてもおかしくありません。

昔、恥ずかしいことをした私のことを人は覚えている

Nさん

学校で男子とケンカした時、「あいつ、幼稚園の時に今と同じような事をして先生に叱られたんだぜ」ということを言われました。

その時、昔、恥ずかしいことをした私のことを人は覚えているという強い衝撃を受けました。

伊藤

それも、すごくわかる。

身に覚えがありすぎて・・。

私も同じこと思っていました。

だとすれば、昔やったことを覚えている誰かに何か言われるんじゃないかと思うと、恥と恐怖心でブレーキがかかり、自分の思いを表に出せなくなるかもしれません。

EFTタッピング・セットアップフレーズ

私は中学生の時、◎◎な事があり(以上の状況を全てまとめて文章にしました)クラスメイト全員から仲間はずれにされ、物凄く恥ずかしく傷ついてしまった。

あんな事をした親友が許せないと思う自分もいるけれど、そう思う自分をありのまま認め受け入れ愛します。

EFTタッピング・セットアップフレーズ

私は中学生の頃、男子とケンカして幼稚園時代の恥ずかしい過去を暴露されて「私が過去にやった事は誰かが覚えている」という恐怖の思いこみがあるけれどその存思い込みの存在をありのまま認め受け入れ愛します。

EFTタッピング・セットアップフレーズ

あれはあれでしょうがなかったことを、私はもう知っている。
それを知っている私は、もうありのままの自分で大丈夫だ。

EFTが終わった後、二人で「誰かが、私の恥を覚えている」話をしていたのですが、ありのまま認めたことによって、過去に意識を向けても、気持ちが波立たなくなっていました。

高校時代はものすごく明るい自分を演じていた

中学でいやな目にあったNさんは、高校に進学し、皆の進路がバラバラになったのを機に、大変身することにしました。

ものすごく明るい自分を演じるようになったのです。

特別な存在でありたいのに、実際は、仲間はずれにされたのであれば屈辱的ですし、存在価値がないと感じていても、ちっともおかしくありません。

だから、明るい自分を演じ、皆から認められる(ほめられる)ことで、傷つくことから自分を守ろうとするのも、自然な流れです。

チームプレーは怖く、バレー部には入りませんでした。

時折、同じく明るい子と「何だか疲れるよね・・」と話していたとか。

ものすごく明るい自分を演じて、周りに認められたとしても、肝心の自分をありのまま認めず、本来の自分を表に出せないのだから、疲れるのは当然ですよね。

意地っ張り

Nさんの意地っ張りとは、幼い頃に作った「褒められる前提」大人になったNさんの中には

  • (できる子だと褒められるけれど)ありのままだと周囲は受け入れてくれない
  • 自分の思い通りにするのはわがままだ(ありのままの自分を表に出せない)
  • 自分の理想どおりにいかなくてやっぱりな、何をしてもうまくいかない、と思う(できる子になれないから、物事がうまくいかない)

という思い込みが生じていました。

褒められたり、特別に可愛がられたりしたいという思いは、自覚あるなしに関わらず、誰もが持っていると思うのです。

ただ、それがエスカレートすると、認めて欲しいという気持ちが大きく膨らみ、自分を認めてもらえるように相手を意識して、行動するようになるように思います。

でも、これだと、ありのままの自分は出せなくなってしまいます。

なので、EFTタッピングでは、

  • 良い子でありたい
  • 出来る子でありたい
  • 特別な存在でありたい
  • 一番でありたい
  • いつも褒められたい

などと思い感じていることをNさんがありのまま認めることで、ご自身を満たしてから、ありのままの思いを出したり、行動したりしていくのです。

EFTタッピング・セットアップフレーズ

例え、この先誰かに認められたいと思う私がいたとしても、そう思う私はありのままですばらしい存在だ

というEFTで、今回のセッションを締めくくったのでした。

Nさん

今の彼は、私が良い子を演じていた時に付き合ったので、それがはげるのが 怖かったんです。

でも、もう本当の自分を出してもいいかな?って思いました。

そうだよね。

もし、これまでのままで結婚して、ずーっとありのままの自分を出せないとするならば、 ただただ苦しいばかりですものね。

もしかして・・この解放が終わるのを待っての結婚なのかもしれません。

それとも、まだ何か出てくるかな?

いずれにせよ、今後の展開が楽しみです。

今回、「いつ事例が載るんだろう」と思いながら日々、ブログをのぞいていた、と教えて下さったNさん。

いつもありがとうございます。
そして、またお会いできるのを楽しみにしています!

Nさん事例5に続きます

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次